原因不明の動悸、もしかしたら自律神経の乱れが原因かもしれません。
動悸とはどんな症状?
普段の心臓の鼓動より強く感じたり、心臓の動きが速く感じたり、脈の間隔が不規則に感じたりする不快な症状が動悸です。
緊張したり不安になった時に感じた事がある方も多いかと思います。
動悸と言ってもその原因には様々なものがあります。
例えば不整脈や狭心症などの心臓系の疾患、低血糖症や甲状腺機能亢進症、更年期障害など代謝やホルモン系の疾患、貧血などの血液系の疾患などが当てはまります。
動悸が気になって病院をした際、このように明らかな原因となる疾患が見つかった場合は、その疾患の治療を最優先に行う必要があります。
特に心臓系の疾患は命に関わることもあるため、注意が必要になります。
しかし病院を受診し様々な検査を受けたにも関わらず、原因不明で分からないというケースもよく見られます。
あるいはストレスのせいであると言う事で、心療内科に回されることもあるかもしれません。
こうなると治療の手立てが無いために、気にしなければ大丈夫と言われたり、あるいは処方された薬を飲んでみるものの、なかなか動悸が改善されてこないと言う方もいるのではないでしょうか?
そう言ったケースでは、自律神経のバランスが崩れている事による動悸の可能性が高いです。
そしてその場合、自律神経の乱れを治さない事には、動悸の改善もされて来ません。
心臓と自律神経の関係
最初にもお伝えしましたが、動悸とは普段の心臓の鼓動より強く感じたり、心臓の動きが速く感じたり、脈の間隔が不規則に感じたりする不快な症状であり、心臓の機能の不具合によって引き起こされています。
つまりは心臓を支配している自律神経系の機能異常によって引き起こされています。
ですので、全体的な自律神経のバランスの改善はもちろん、特に心臓を支配している自律神経領域のバランス改善が重要になってきます。
さて、背骨の中には脊髄という脳からつながる中枢神経が通っています。この脊髄から枝分かれした神経(この神経を脊髄神経といいます)が、左右1本ずつ背骨の間から出てきます。この出てきた神経の中には筋肉を動かす運動神経や、皮膚からの感覚などを伝える感覚神経、そして内臓を支配する自律神経が含まれています。
その中でも心臓を支配する自律神経は、胸髄の中の第1〜4番(Th1〜4)から枝分かれした脊髄神経に含まれています。
どうやったら改善するのか?
心臓を支配している自律神経、そしてその乱れによって動悸が起こるという事はご理解頂けたでしょうか?
ではこの不快な動悸という症状を改善していくにはどうしていけばいいのでしょうか?
一つは全身的な自律神経の調整です。
これには手足のツボやお腹のツボ、背中のツボなどをよく用います。
必要に応じて、東洋医学的な診断と治療法を併用する事もあります。
またそれとは別に首周りの筋肉に強いコリがあると、全身的な自律神経の乱れが起こり、動悸がある方も例外ではありません。
ですので、首周りの細かい筋肉を一つ一つ丁寧に緩めていきます。
もう一つの方法が、心臓を支配している自律神経の治療です。
先程、胸髄の中の第1〜4番(Th1〜4)から枝分かれした脊髄神経に含まれる自律神経が、心臓を支配している事をお伝えしました。
もう少し詳しく説明しますと、この脊髄神経は背骨を出ると2つに枝分かれし、前側の神経が心臓へ行きます。
そして後側の神経は背中の筋肉に分布支配します。
ですので、動悸など心臓の機能に異常があると、元が同じ脊髄神経の支配する背中の筋肉にもコリが出来ます。逆に背中にコリがあると心臓の機能を含む自律神経にも異常が起こります。
そのため心臓を支配している自律神経の治療には、胸髄の中の第1〜4番(Th1〜4)から枝分かれした脊髄神経の支配する背中の筋肉を緩める必要があります。
特に最深部にある多裂筋(たれつきん)という筋肉にコリ(トリガーポイント)が出来ると、自律神経の異常が起こりやすいのですが、ここは指では触れる事が出来ないため、鍼でしか直接緩める事が出来ない部位です。
いくら検査しても異常がないと言われてしまう事が多い動悸という症状ですが、このように自律神経が原因で起こっている可能性が高いです。
そして鍼治療では、西洋・東洋両医学から見ても、その自律神経を整えるのにとても相性がよく、効果も現れる症状の一つです。
もしなかなか改善しない動悸の症状があるならば、一度鍼灸治療を受けられるのをオススメします。