自律神経
体内環境を整えるように働く神経が自律神経です。また情動やストレス、摂食や排泄など自分の意思とは関係ない部分でも働いてくれています。
これを恒常性といい、外部環境に対して内部環境を合わせるようします。
自律神経には交感神経というアクセルの役割の神経と副交感神経というブレーキの役割の神経で成り立っています。
この二つが上手く働く事で体内バランスを保っています。
そのため、崩れるときはどちらかに偏る場合や強いストレスなどで自律神経中枢が乱れる時が多いです。
バランスを崩すと全身に影響するため幅広く症状が現われます。不安感や不眠といった精神から全身症状や肩こりや腰痛などの運動器疾患もあります。
自律神経が乱れると「なんか調子が悪い」「最近になって体調を悪くしやすい」といった感じが特徴です。
今ではTVや本などにもたくさん出てくるため広く認知されてきました。女性は、生理や更年期障害で悩むためか、よく知っている方が多いです。
この自律神経は東洋医学の陰陽論に共通する事が多いです。
陰陽論
万物(自然)は陰と陽に分けることができるという考えです。昼は陽、夜は陰と分けます。男女でも男が陽で、女が陰になります。
この陰と陽がバランスを保っている事で成り立つというのが陰陽論です。
身体でも、どちらかに偏ること無くバランスが整っている状態が健康であると考えます。
陰は、身体の生命源である気を貯えて中を引き締めます。陽は、身体の外側をはしり外から内を守るように働きます。
これは、自律神経の交感神経と副交感神経に似ています。
春や夏は、陽の気が強くなります。秋や冬は陰の気が強くなります。自然の気を受けて生きる人間は、季節に合わせて生活を変えることで健康になります。
季節による養生法は別のコラムで書きましたが、基本的には陰と陽のバランスが影響します。
季節に合った過ごし方をしないと季節の変わり目に体調をくず事になります。また一つ前の季節の過ごし方が悪いと風邪を引きっぱなしになるなど、長く体調を崩します。
自律神経も季節の変わり目で乱れやすい特徴があります。
現代では、あまり注目されていませんが、東洋医学では遙か昔から最適な過ごし方を知っていました。
自律神経や体調を整えるには東洋医学の養生法が役立ちます。
自然療法
現代の薬物治療は効果が絶大です。即効果や症状を抑えることが出来るのは薬以外にありません。
緊急時や、どうしても抑えたい時は薬に頼るのが一番です。
ですが、恐い面も当然あります。体内で生成されない物質で治療すると必ず副作用が付いてきます。一時的に症状を抑えるのに最適であっても、病気になった根本を治すものでな、徐々に効果も薄れて副作用の症状の方が酷くなったということもあります。
東洋医学は自然から生まれた医学で、身体の自然治癒力を第一に考えます。身体が病になった時は根本から治るように考えます。
薬ほどの威力はありませんが、適切な治療を行なうことで高い効果が見込めます。
薬物治療と違う副作用が無い治療というのも安心です。身体本来が持つ力を高めるため子供でも妊婦でも安心して受けられます。
西洋医学と東洋医学はどちらも長所短所があります。病の状態に合わせて使い分けていくと治癒の早道になると思います。
東洋医学は補完治療
薬物治療と東洋医学は相性が良いです。身体本来が持つ治癒力を高めることと、薬が良く効くように体内循環を良くすることができます。
そのため他の治療と組み合わせることで効果が上がりやすいです。
ただし主治医から止められる場合はお医者さんの意見を第一にしてもらいます。
鍼灸を第一に選択しても、補完として薬物療法と並行しても効果があります。