筋膜調整後に起こる変化とは?
これまでのコラムでは、「問診」「運動検査」「触診検査」「治療」について、筋膜調整法の具体的な方法をお話ししてきました。
筋膜調整については今回で最後になります。
特に治療後に起こる身体の変化についてお伝えしたいと思います。
⑤セルフケア方法
セルフケアは治療後の効果をより継続するために、ご自身で行なって頂きます。
内容としては主にマッサージとストレッチになります。
特に最も歪みの強かった部分は、治療によって解消されても、再び歪みが作られてしまう事があります。
(そうは言っても治療前のような強い歪みまでは戻らないので安心して下さい。)
そのため、完全に筋膜の歪みと症状が取り切れるまでは、ご自身でのマッサージを指導する事があります。
またいくら治療によって歪みが完全に解消され症状が改善されても、何年も不良姿勢で生活していたら、再発する可能性もあります。
ですので、日常生活の中で影響を受けている筋膜ラインに対しストレッチを取り入れて頂く事もあります。
このように症状や状態、生活状況に合わせたセルフケア方法をお伝えします。
ただし治療後3日間は治癒に必要な炎症反応が起こっているため、この反応をスムーズに行えるように、セルフケアは4日後以降に行って頂くと効果的です。
⑥-1 注意事項(治療した部分の変化)
治療をした局所は炎症反応が起こります。
炎症反応が起きる事で、自己免疫反応によって異常な(歪んだ)筋膜組織が正常な組織に変換されていきます。
そうする事で正常な筋膜機能を取り戻す事が出来るのです。
炎症が起こるため、治療した部分には筋肉痛や打ち身のような痛みが2〜3日続く事があります。熱感や倦怠感が出る事もあります。
しかしこの時、この炎症反応を止めてしまうとかえって痛みが強くなったり慢性化したりしてしまうので、治療を行った部分においては消炎鎮痛剤の使用や筋トレ、マッサージなどは控えて下さい。
⑥-2 注意事項(身体や症状の変化について)
治療後の炎症反応が終わると身体には様々な症状の変化が現れます。
⚫︎症状が消失する
⚫︎症状が改善され、かつそれが持続している
⚫︎症状が悪化する
⚫︎違う部位の痛みが出てくる(痛みの移動)
⚫︎過去にあった症状が再発する
⚫︎一旦症状は軽くなったが、痛みが戻ってしまう
などなど、
治療後の変化として、このような変化が見られます。
これらは全て筋膜の歪みが解消される事によって起こる変化です。
ですので、このような変化が出たとしてもご安心下さい。
そしてどのように症状や身体が変化するかによって、次回の治療方針(治療部位)が決定されますので、とても重要な事項となります。
以上3回に渡って、筋膜調整では具体的にどんな事をするのかお伝えして来ました。
どんな事をするのか、少しでも理解して頂く事で、より治療効果が出やすくなります。
もしなかなか治らない腱鞘炎でお困りでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
筋膜調整が出来る治療家はまだまだ数が少ない
さて、これまでのコラムでは筋膜や筋膜調整についてお話しして来ました。
この筋膜調整方法自体は30年も前からイタリアの理学療法士、整形外科医が研究・実践してきたもので、エビデンスや臨床実績も蓄積されています。
しかし日本にこの方法が入って来たのはまだ数年前です。
加えて基本的には日本でも理学療法士のみ習得出来る技術になっている(一部、鍼灸師も習得しています)ため、まだまだこの治療を受けられるところは限られているのが現状です。
そのため整体や鍼灸に比べると、まだまだ一般的な認知度も低いと思います。
しかし、これまで様々な治療方法で腱鞘炎に対して治療して来ましたが、この筋膜調整法の効果は、速効性や持続性ともに段違いに高いと実感しています。
この筋膜調整を通して、腱鞘炎でお困りの方に少しでも貢献出来たらいいなと常々思っています。