筋膜の歪みの解消に時間がかかるケースとは?
前回のコラムでもお伝えしましたが、腱鞘炎治療は早めの治療をお勧めします。
その理由の一つが、治療による炎症が終了するまで効果が現れない事があるため、です。
ですので、仕事や日常生活ですぐに強い負荷をかけなければいけない状況であったり、その場で全ての痛みを取って欲しい、と言うご要望に100%応えられるわけではないという事です。
早めの治療が必要な理由は、主に次の4つです。
①炎症終了後まで効果が現れない事がある
②一度で全てが解消されない事もある
③炎症終了後に隠れた筋膜の歪みが出てくる事がある
④内臓の不調があると改善に時間がかかる
今回のコラムでは②〜④について説明していきたいと思います。
②一度で全てが解消されない事もある
筋膜の歪みは治療によって解消されても、時間が経つと戻ってしまうケースがあります。
治療前の状態まで戻る事は少ないですが、それでも再度少し歪みが出てくる事があります。
その再度出てくる歪みの影響によって痛みが全て取りきれないという事です。
特に歪みが広範囲に広がっていたり、経過が長かったり、歪みが強かったりすると、その傾向があります。
そう言った部分でも数回アプローチすれば筋膜の歪みも解消されるのですが、一回の治療で完全に解消できないケースもあると言う事です。
③炎症終了後に隠れた筋膜の歪みが出てくる事がある
これも筋膜調整では良く見られる事ですが、最初の触診評価によって反応のなかった部分にも関わらず、他の筋膜の歪みが解消される事で、別の筋膜の歪みが現れてくる事があります。
これは当初あった筋膜の歪みによって隠されていた歪みで、さらには腱鞘炎に最も影響を与えている筋膜の歪みである事が多いです。
根本的な原因になっている可能性があります。
これも治療途中で出てくる事もあれば、治療後の炎症が終わった後に出てくる事もあります。
そしてこの隠れていた筋膜の歪みを治療しない限り、腱鞘炎は完治しない事が多いです。
④内臓の不調があると改善に時間がかかる
内臓の不調が筋膜を介して腱鞘炎の痛みにつながることは以前のコラムでお伝えしました。
なぜ内臓の不調があると改善に時間がかかるかと言うと、
そもそも内臓の不調がスタートなので、その不調が改善されないと治療をしてもまたすぐに筋膜の歪みが作られてしまう可能性があります。
もちろん体表の筋膜を治療する事で内臓の筋膜にも良い影響を与えますが、それでも回数が必要な事が多いです。
その間に内臓の筋膜からの歪みがまた体表に伝わってきてしまったり、体表の歪みが解消しきらず、なかなか治りづらいです。
また内臓の不調はその症状が顕著に出る前から、内臓の筋膜に歪みが起こっている事もあります。
つまり経過が長い事が多いので、筋膜の歪みもあちこちに広がっている可能性もあります。
そのためそれらを解消し、腱鞘炎が改善されるまでに時間がかかる事があります。
痛みがひどくなる前に、、、
前回と今回のコラムでは、早めの腱鞘炎治療を受けられる事をお勧めする理由についてお伝えしてきました。
筋膜の歪みは、もちろん一度で全て解消される事もありますが、そうではない事もあります。
初回の治療後も炎症が治る3〜4日後でないと効果が出ない事もあります。
隠れていた筋膜の歪みが根本的な原因である事もあります。
ですので、痛くて動かす事も出来ず、日常や仕事に支障が出てからでは遅いんです。
状態によっては時間がかかる事も、数回の調整が必要な事もあります。
ですので、「一回で治りますか?」「すぐに良くなりますか?」と言う質問に対しても、
「やってみなければ分からない」とお答えします。
くどいようで申し訳ありません。
ですが、例えば仕事や日常生活ですぐに強い負荷をかけなければいけない状況であったり、その場で全ての痛みを取って欲しい、と言うご要望に100%応えられるわけではないという事です。
ぜひ身体のアラームサインを見落とさないで、少し違和感を感じたりなど症状が軽いうちに、日常や仕事への支障が少ないうちに、早めの治療を受けられる事をお勧め致します。