胃腸のトラブルの原因
腹痛、軟便、下痢、便秘、食欲不振、胃もたれなどの胃腸のトラブルには、さまざまな原因が考えられます。
食べすぎや飲み過ぎ、喫煙、アルコール摂取など、胃や腸に直接的なダメージを与えることによる不調と、精神的なストレスからくる不調があります。また、胃腸の働きと自律神経は密接した関係にあります。自律神経とは交感神経と副交感神経しから成り立っており、この2つの働きのバランスが崩れると胃腸の不具合が起こります。人はストレスを感じると交感神経の働きが優位になります。
そうすると、胃腸の血管が収縮し、血液量が減ります。そのとき身体は、副交感神経の働きを強めようとして、胃酸を多く分泌します。胃酸の分泌量が通常よりも多いことで胃腸を炎症させる原因となるのです。
よって、摂取物はもちろん、自律神経の乱れを整えることも胃腸トラブルの予防に繋がるのです。
考えられる病気
急激な激痛、発熱、吐血、下血、嘔吐など、症状がある場合は早急に病院へ行き検査を行いましょう。主に、考えられる病気は次のものになります。急性胃炎、慢性胃炎、消化性潰瘍、過敏性腸症候群、逆流性食道炎、胃がん等です。早期に治療しなければ命に関わることもあります。消化器内科、胃腸科、内科など専門医の診断を受けましょう。
また、精神的なストレスからくる病気の場合は、精神科への受診を推奨される場合があります。加齢によって胃腸の働きが低下し、病気につながることも増えるので、こまめな健康診断を受けることをおすすめします。
東洋医学の考え方と鍼灸の有効性
上記のように胃腸に何らの病気を患っている場合は、病院での治療が必要となります。その治療と並行して、またはその他に、食べすぎや対人関係のストレス、生活環境の変化、温度や湿度の変化などによる胃腸のトラブルには、鍼灸は有効性があります。
お腹が弱い体質の方は、自分がどのような原因で不調が起こるのかを把握することで、先回りの施術をすることができます。
東洋医学の考え方では、五臓六腑の「脾」は消化吸収をコントロールする働きを担っており、胃腸と深く関係しています。そのため、鍼灸の施術でも、脾に関連するツボの刺激を行います。また、人間の生命活動において重要とされている「気」は胃腸の働きによって作られると言われています。そのため、生きる上で胃腸の働きを整えることはとても大切なのです。生活習慣を見直し、気の巡りを良くすることで、自ずと胃腸の免疫力も高まるのです。
当院独自の施術法
当院では鍼灸はもちろん、「温灸機」を用いりお腹の不調を改善していきます。温灸機とはお灸と同じ燃焼温度になって人体に効率よく熱伝導を出せる機械です。お腹を温め、お腹の状態をよくします。胃痛、膨満感、お腹の張り、下痢、便秘、食欲不振などにお悩みの方はぜひ当院の施術をお試しください。
また、お腹の硬さや柔らかさを整える事で交感神経や副交感神経のバランスが良くなります。そのため、お腹の張り具合を確認し、患者様に合った施術をご提案させて頂きます。
胃腸不調に効くツボ
当院では主に下記のツボを鍼灸によって刺激していきます。
お腹周りあるツボ
中脘 (ちゅうかん) : ヘソとみぞおちの真ん中。
天枢(てんすう) : ヘソから指3本分外側。
手にあるツボ
内関(ないかん) : 内側の手首から、指3本分下。手首を曲げた時に出る2本の筋の間。
脚にあるツボ
足三里(あしさんり) : 膝の皿の左右のくぼみのうち、外側のくぼみから、指4本分下。
梁丘(りょうきゅう) : 膝の皿の外側から指3本分上。
背中にあるツボ
胃兪(いゆ) : 腰より少し上、背骨から指2本分外側。
脾兪(ひゆ) : 背中の中央より少し下、背骨から指2本分外側。
胃腸の不調に対する予防と対策
規則正しい食生活
胃は空腹状態が続くと炎症が起こる原因にもなります。毎日朝昼晩3食きちんと食べ、消化に良い食べ物を摂取しましょう。よく噛んで食べることも消化促進に効果的です。また、大量のアルコール、脂っこい物、冷たいもの、辛い物などの刺激物を摂取することも胃腸が荒れる原因となります。自分のお腹の状態と相談して食事内容を考えましょう。
タバコを控える
タバコは血行を悪くします。胃腸の血行も悪くなるので、胃腸の働きが低下しトラブルを起こしやすくなります。血の巡りが悪い状態が慢性化することで、病気につながる危険性があります。
ストレス発散
胃腸のトラブルはストレスと大きく関わりがあります。疲れた時や、ストレスを感じた時は休憩をしっかりと取り、趣味の時間を作ることで心と身体のリフレッシュを図りましょう。
最後に
鍼灸は辛い症状の改善、緩和をすることはもちろん、その他にも乱れてしまった生活リズムを正常に戻す力や、溜まっているストレスを軽減をする力があります。何かと生活の質が落ちているなと感じましたら、ぜひ鍼灸をお試しください。辛い症状の根本的な解決が見えてくるでしょう。