パニック障害とは
パニック障害とは、突然の激しい動悸、呼吸困難、発汗、めまい、手足の震えなどのパニック発作と呼ばれる症状ととに、強い不安感や恐怖を感じる精神疾患です。人は生命の危機に直面した時に、パニック発作と同じ身体反応が起こります。これは危機的状況から逃げるための正常な反応であり、人間が生き延びるための大切な反応です。
しかし、パニック障害の発作は何もないところから突然に発症し、日常生活に支障をきたします。また、100人に1人は発症している現状で、男性よりも女性がなりやすい障害です。ある日突然「死んでしまうかもしれない」ほどの感情と共にパニック発作が起きたら、心療内科の受診をおすすめします。
パニック障害の原因
パニック障害の明確な原因は解明されていませんが、精神的なストレス、脳内の神経伝達物質の異常や乱れが関係していると言われています。
パニック障害に関係する脳内の神経伝達物質は以下のものになります。
セロトニン
セロトニンとは、別名「幸せホルモン」と呼ばれ、心身を安定させる役割があります。また、集中力や直感力が上がり、頭の回転が速くなります。ストレスに対して効能があり、セロトニンの分泌が低下するとうつ病など精神疾患が発症するリスクが上がります。
ノルアドレナリン
ノルアドレナリンとは、ストレスに関係するホルモンであり、自律神経の一つである交感神経が刺激され分泌されます。恐怖や不安の感情感じると血圧や心拍数を上昇させます。
ドーパミン
ドーパミンとは、やる気や幸福感を引き出してくれる脳内ホルモンの一つです。感情や理性、記憶などの心の機能にも深く関与していると言われています。
この3つの神経伝達物質の働きが乱れると、パニック発作が起きやすくなり、「予期不安」「広場恐怖」に繋がります。
予期不安
予期不安とは、パニック発作を何度も繰り返すこたで、また発作が起きるのではないかという不安に襲われることです。次起こるかもしれない発作への強い不安で、仕事を辞めるなど、行動にも表れてくる症状です。
広場恐怖
広場恐怖とは、パニック発作が起きたときや強い不安が襲ってきたときに、逃げられない状況、助けを得られない状況、恥をかくかもしれない状況に対することへの恐怖症状です。
パニック障害が起こりやすい場所
・人混み
・乗り物(電車、バス、飛行機など)
・閉鎖空間、狭い場所(エレベーターなど)
・暗い場所(映画館、トンネルなど)
・公の場(病院、スーパー、美容院など)
・一人人でいる時
パニック障害の病院での治療法
薬物療法
薬物療法では、抗うつ薬と抗不安薬を組み合わせて服用します。
抗うつ薬は、脳に作用します。神経同士の情報をスムーズに伝達できるよう働きます。これにより活力や意欲がでてきます。
抗不安薬は、心に作用します。不安や緊張を和らげて安定させるお手伝いをしてくれます。パニック発作を抑える時のみ服用する場合が多いです。
パニック障害の治療で使われる抗うつ薬は、SSRIが用いられることが多いです。即効性には欠けますが、持続力があり、依存性も低いため推奨されています。抗不安薬は、長期的な服用は好ましくないため、発作が出た時のみ使用する頓服薬の役割を果たします。
行動認知療法
認知行動療法とは薬に頼らずに行う心理療法の一つです。パニック発作の対処法を身につけて、心を楽にし、自信を持った生活が送れるようにする方法です。例えば、苦手な場所や避けていた状況に少しずつ立ち向かい、挑戦していきます。以前まであった恐怖感や不安感を良い認知に変えることが目的です。
パニック障害に対する鍼灸の有効性
当院ではパニック障害のパニック発作への緩和を目的とした施術を行います。
パニック障害は、交感神経と副交感神経から成り立つ自律神経の乱れも影響しています。そのため、自律神経を整えることで、脳内の神経伝達物質の働きが正常になり、症状が抑えられます。当院独自の『自律神経測定器』を持ち入り、交感神経と副交感神経のバランスの状態や変化を確認します。自律神経の状態をしっかりと把握した上で患者様お一人お一人あった施術をご提案させて頂きます。自律神経が整うことによって、ストレス値の軽減、睡眠障害の緩和などパニック障害への予防にも繋がります。普段からストレスを溜め込みやすい方や睡眠に悩んでる方、早期の施術で精神疾患を予防しましょう。
パニック障害にならないための予防法
●規則正しい生活
●定期的なストレス発散
●カフェイン、アルコールを控える
●喫煙をしない
以上のことを意識することで、パニック発作の誘発を防ぐことができます。また、「日光浴」をすることでセロトニンが分泌され、ストレス軽減に役立ちます。精神疾患の方に不足していると言われるビタミンDが、日光浴によって体内で生成もされるため、心も体も健康になる効果が期待できます。