ヘッドスパ鍼が脳に良い影響を与え、健康維持に効果がある理由として、頭蓋骨との関係も考えられます。
西洋医学では頭蓋骨は動かないという捉え方をしています。赤ちゃんの頭はとても柔らかく、頭の中で頭蓋骨がまだ発達していません。その後、成長するにしたがって骨が固くなっていき、しっかりした頭蓋骨が完成するともう動かなくなるという考え方です。
これに対して、オステオパシーの世界では頭蓋骨は動くとされています。オステオパシーとは、人間が本来持っている自然治癒力を最大限に活かそうとする、アメリカ生まれの医学のことです。
頭蓋骨と仙骨の関係
頭蓋骨は動くという考え方から発展したのが、頭蓋仙骨療法というものです。骨盤の中央にある仙骨と頭蓋骨が連動しているという考え方に沿って行われます。
頭蓋仙骨療法では、仙骨を施術すると頭蓋骨が動き、脳に好影響を与えるとされています。頭蓋骨を動かすと脳を刺激するというメカニズムは、容器に入った豆腐で説明できます。容器(頭蓋骨)を動かすと水(脳内にある脊髄液)がゆらぎ、その影響で豆腐(脳)に刺激を与えるというわけです。
呼吸でも頭蓋骨は動く
頭蓋骨の動きは、主に呼吸によって横隔膜が上下することによって起こるという考え方もあります。最近の研究によると、頭蓋骨を動かすのは呼吸だけではなく、他のファクターも関連しているとのことです。自律神経系統も関係しており、その作用で微妙な弛緩と収縮、膨張があるという見方もされています。
ヘッドスパ鍼と頭蓋骨
こうした理論、考え方をもとに、ヘッドスパ鍼は頭皮や頭の筋肉を直接的に刺激し、脳に好影響を与えるヘルスケアだと説明することもできます。
頭皮や筋肉に緩みが出ることで、頭蓋骨が動き、脳内での脳脊髄液の巡りを良くし、脳を健康な状態にするわけです。
頭蓋骨は呼吸によって動くという考え方から、ヘッドスパ鍼は患者さんの呼吸に合わせて行っていきます。
頭皮や頭の筋肉をほぐすと脳疲労は改善し、自律神経のバランスが良くなります。さらに、頭のツボを刺激することによって、眼精疲労や不眠の解消、肌のハリの向上、首や肩こりの緩和、脳のパフォーマンス向上、髪質の改善、免疫系への好影響など、さまざまな効果が期待できます。