片頭痛の最大の原因は、身体的、精神的ストレスです。体は過度なストレスを受けると、血中の血小板から神経伝達物質のセロトニンが大量に放出されます。セロトニンは、精神の安定や睡眠の質に深く関与する脳内物質で、不足するとうつ病や睡眠障害に陥りやすくなります。その大半は小腸内に存在し、必要に応じて脳内に運ばれます。
脳の興奮を鎮める栄養素
脳の興奮をやわらげ、片頭痛の頻度を減らすとされている栄養素があります。それはマグネシウム、ビタミンB2、カルシウム、食物繊維です。
マグネシウムはカルシウムとともに筋肉のはたらきを調整したり、心臓や血管のはたらきを正常にしたりします。注目すべきは、血管収縮を引き起こす陰の悪役、セロトニンの異常放出を抑制する効果があることです。
ただし、積極的にとると血管は安定しますが、多量にとりすぎると下痢の原因となることがあるため、適量を定期的にとるのが理想です。
ビタミンB2やカルシウムは、脳の興奮を抑制する効果があります。日本人はビタミンB2の摂取量が少ないといわれているので、積極的にとるようにしましょう。
食物繊維は神経を安定させるほか、血糖値や血圧、コレステロールを低下させる作用があるので、これも積極的にとってほしい食材です。ごぼう、寒天、さつまいもなどがおすすめです。
脳の興奮を抑える食品
マグネシウムを多く含む食品
海藻類:ひじき、わかめ、こんぶ
大豆類:ゆで大豆、納豆
魚介類:桜えび、生牡蠣、はまぐり
種実類:ごま、アーモンド、カシューナッツ
その他:玄米、そば、油揚げ
カルシウムを多く含む食品
乳製品:ヨーグルト、牛乳
大豆製品:豆腐、厚揚げ、おから、納豆
魚類:ししゃも、わかさぎ、桜えび
野菜:小松菜、ちんげん菜、春菊、ほうれん草
ビタミンB2を多く含む食品
海藻類:のり、ひじき
肉類:レバー、ハツ、タン、鴨
魚介類:うなぎ、さば、いかなご
その他:卵、納豆、まいたけ、モロヘイヤ
食物繊維を多く含む食品
野菜:ごぼう、さつまいも、かぼちゃ、さといも
果物:りんご、いちご、バナナ、キウイフルーツ
その他:玄米、豆類、きのこ類、こんにゃく、寒天
片頭痛持ちにはポリフェノールはNG!
片頭痛の人には摂取しないほうがよい食品があります。それは、赤ワイン、オリーブオイル、チョコレート、チーズ、ハム、サラミ、ソーセージ、柑橘系の果物などです。
オリーブオイルなどに含まれるポリフェノールは血管疾患に推奨されている成分です。健康に良いといわれる食品の多くは、血管拡張作用があります。血管を広げて血流を良くすることは好ましいのですが、片頭痛や群発頭痛の人には症状を悪化させる要因になりかねません。
緊張型頭痛や耳が原因で起こるめまいや耳鳴りは血管拡張作用のある食品はプラス効果を発揮します。
頭痛の原因が脳か耳か、あるいは頭痛のタイプにより大きく違うので注意が必要です!!