なぜ不眠が増えているのか
不眠症が増えている原因として、働き方の変化が関係しています。
日本は経済情勢のグローバル化、IT化が進行した結果
24時間体制での交代勤務など不規則な勤務体制が一般化しています。
また、学生などの若い世代もスマホやパソコンの普及により、
睡眠の時間が短縮し、夜型の生活傾向が強くなっています。
また、コロナウイルスの流行によって、
ウイルスへの不安、生活習慣の変化やストレスを感じやすくなり、
さらに不眠症の方が増加しています。
不眠症の定義
不眠症は睡眠障害の一つで、入眠困難、中途覚醒、早期覚醒、熟睡障害などの睡眠問題が
1ヶ月以上続き、日中に意欲低下や集中力低下などの不調が出現する病気です。
不眠症が起きる要因として、
①眠れないかも知れないという慢性的不安や緊張などによるストレス
②慢性的な首肩こり、腰痛、かゆみ(アトピーなど)、気管支喘息などによる呼吸困難
ほてりや発汗(ホットフラッシュ)など身体症状によるストレス
③うつ病などの精神疾患
④薬の副作用(降圧剤、副腎皮質ステロイドなど)
などがあげられます。
睡眠の質を下げる生活習慣
①タバコや過度な飲酒
どちらも依存性が高く一時的に気持ちが落ち着きますが、
覚醒作用があるため、睡眠の質が落ちてしまいます。
入眠1,2時間前のタバコや飲酒はできるだけ避けましょう。
②睡眠前のカフェイン摂取
コーヒーを飲むと目が覚めるというカフェインによる覚醒を聞いたことはありますか?
実はコーヒーだけではなく、コーラ、チョコレート、お茶にもカフェインは含まれます。
入眠前のカフェイン摂取、また日中のとりすぎもあまり良くないので、
できるだけ気をつけましょう。
③寝る前の光の刺激
主に照明、パソコン、スマホによる光の刺激は要注意です。
人は夜になると自然と眠れるようにホルモンを分泌し、眠る準備をしますが、過度な光刺激はお昼と勘違いをし、眠りの準備を妨げてしまいます。
暖色系の照明や間接照明に変えたり、できるだけ遅い時間までパソコンやスマホを見ないようにしましょう。
これらはダメだと思ってもやってしまう生活習慣です。
まずは自分の生活習慣を見直し、改善できる点は意識していきましょう。
不眠症と鍼灸治療
とは少し違うもので、東洋医学では、全身に血を送り出して、精神的な働きを管理するものです。
精神的な働きとは、物事を考えることや感情、意識といった面です。物事を考えるとは、西洋医学でいう脳が東洋医学では、心にあたります。
睡眠に異常がある時は、この心の状態をよく診て治療します。
心と腎はともに助け合う関係になります。心と腎の関係が崩れた状態を「心腎不交」と言い、この状態が睡眠障害を引き起こすと考えます。
睡眠障害はこの心と腎の機能を高めることが必要になります。
治療部位として、神門(しんもん)、百会(ひゃくえ)三陰交(さんいんこう)など
末端の経穴(ツボ)に鍼や灸をしていきます。
西洋医学的にみると
自律神経や体温調節が非常に重要だと考えます。
冷えやのぼせがなく、全身が安定した体温状態だとよりいい睡眠がとれるため、
鍼灸治療では四肢末端のツボや頭皮に施術を行っていきます。