どうして現代人は疲れきってしまっているのでしょうか?
私たちの生活は機械やコンピューターのおかげで便利になり、多くの肉体労働から解放されることになりました。でも日本中が疲れているのも事実です。
現代社会で、最もエネルギーを消耗しているのは感情を働かせること。
不安は常に最悪のケースを想像させ続けエネルギーを消耗させます。積極的に仕事をしようという時にも、驚き、興奮、焦りが生じています。怒っている人を見るとものすごいエネルギーを使っているのがわかります。
現代人は感情を働かせ、エネルギーを激しく消耗させることが異常に多くなっているのです。
疲労の原因は体の内面を活動させることによって生じる精神疲労が主体です。
情報の氾濫
現代人が異常に感情を働かせている原因の一つに、情報の氾濫があげられます。
人は比較や理想によって感情を発動させるのですが、メディアなどで流れてくるさまざまな情報は、自分の状況を「不十分だ」と感じさせます。その結果、悲しみや不安、怒り、焦りなどの感情を働かせることに繋がるのです。
また、多くの情報を選択し、分析する作業にたくさんのエネルギーを使っています。何かを選んでも他に良いものがあるのではないか、という不安や後悔が常について回ります。
そして精神的な疲労は自覚しにくく、蓄積し、悪化しやすいという特徴があります。
蓄積した疲労は、知らないうちにあなたを蝕んでいきます。
精神的な疲労を自覚しにくい理由の一つに、周囲の人や以前の自分と比較してしまうことがあげられます。
仕事をしている時、少し苦しくても、他の人はまだ頑張っている、以前も乗り越えたから大丈夫だと考えがちです。しかし同じ仕事でも、体調によって消費するエネルギーは異なってきます。
疲労の蓄積量は、消費エネルギーと回復力の関係で決まります。体調によって回復力が小さくなると、以前と同じ仕事量でも疲労が蓄積してしまいます。
疲労の蓄積による身体症状
疲労は十分な休養で回復できる症状ですが、蓄積した疲労は疾患の原因となることも多いです。
貧血、うつ病、甲状腺機能低下症、睡眠障害、慢性疲労症候群など。
疲れが長引くほど、複数の原因が関係して症状を引き起こします。加えてストレスがかかり続けることで脳の回復力が低下し、心因性の症状につながりやすくなります。
鍼灸治療
鍼灸治療では身体的要因と精神的要因から起こるストレスに対してアプローチしていきます。
身体的要因
倦怠感、眼精疲労、長時間労働などによるストレスで固まった筋肉を緩め、血流の改善を図ります。
精神的要因
脳が緊張状態に置かれることから起こるストレスです。まずは自律神経のバランスを整え、交感神経優位な体の状態を落ち着かせる治療を行います。また頭への鍼を行うことで脳をしっかり休ませます。
過度な疲労は心身共に健康を損なう恐れがあります。自分自身の体の声に耳を傾け、疲労をこまめに取り除きましょう。