過敏性腸症候群について
自律神経失調症に含まれる症状の1つに過敏性腸症候群というものがあります。
主な症状は腹痛、下痢や便秘が長く続く、ガスが溜まってお腹が張るといった症状が現れます。
主な原因は小腸や大腸の異常活動によるものですが、その異常活動をさせてしまう原因についてはまだはっきりとわかっていないのが現状です。
お腹が痛くなる原因としては、冷たい食べ物の摂りすぎ、過度のストレス、感染症、アレルギー反射などがあります。
過敏性腸症候群で鍼灸治療を受けに来る方の多くはストレスを抱え込んでいて身体の緊張が抜けて無い方が多い様に思います。
個人によってストレスの原因は様々なものがありますが、本人にはっきりとしたストレスを受けている自覚があれば比較的治療方針も決めやすい傾向にあります。また本人に自覚が無くても問診を進めていくと意外な所でストレスを感じていることも見受けられます。
例として
一見すると人間関係が良好に思えていても、その人間関係を円滑にする為に周囲に無意識的に気を配る事が当たり前になっている方などは、自覚があまりないのでジワジワと神経をすり減らしていくことになります。
こういった場合は周囲からも問題が無いように見えるので余計にストレスに気付きにくい状況になってしまいます。
「あんなに元気だった人がに急にどうしたの?」というような事が起こるのはこのようなケースかも知れません。
鍼灸治療において過敏性腸症候群はとても相性が良い疾患でもあります。
まず鍼灸治療の効果として自律神経反射というものがあります。
これは文字通り自律神経に作用する効果があるので自律神経失調症の1つでもある過敏性腸症候群には効果的です。
自律神経反射というのは鍼の刺入刺激やお灸の温熱刺激が皮膚や筋肉を介して自律神経に作用して身体を恒常させようとする反応です。
この反応をうまく利用することによって乱れた自律神経が整い調律を取り戻すことで自律神経失調症の改善に繋がります。
次に免疫力を高める効果です。
免疫力の低下はウイルス感染や細菌感染のリスクが高まります。感染による腹痛も過敏性腸症候群を誘発する要因となるので免疫力を回復させる事は腹痛の予防という意味で重要になってきます。
免疫力が上がることでアレルギー反応に対する抵抗力も上がります。
そして自律神経の治療と並行して肩こりや腰痛、身体の緊張状態も緩めていくと鍼灸の効果が長持ちしやすくなります。
なので身体の状態によっては過敏性腸症候群の治療だけではなく全身的な治療が必要になってきます。
過敏性腸症候群からの併発
過敏性腸症候群が発症した後に注意しなければいけないことは「お腹が痛くなったらどうしよう」という不安感から不安神経症(全般性不安障害)やパニック障害、うつ病などの心療内科的な疾患が併発してしまうことです。
そうなってしまった場合は治療に時間が必要な場合も多いので、そうなる前に治療を進めることが重要です。
過敏性腸症候群の治療
渋谷α鍼灸整骨院での過敏性腸症候群の鍼灸治療は陰陽五行論や経絡経穴を使う東洋医学的な治療に加えて、自律神経測定器を使った検査結果を元にした治療方針を組み合わせて治療を行っていきます。
測定器を使うことで自律神経の状態や疲労度、ストレス度数が客観的に見えるのでより細やかな治療方針が立てることができます。
また主症状に加えて身体的な症状(肩こりや腰痛)などがある場合は徒手検査法や触診で身体の状態を診てから治療を行います。
東洋医学+自律神経+身体の状態を診ることで西洋医学とはまた違った角度からの治療になります。
1つの方法では症状の改善に繋がらないケースでも多方面から治療をしていくことで回復に向かう事もあります。
それぞれの治療方法の長所と短所をしっかりと理解して治療に望むことが大切です。