体の不調は脳疲労から?
多くの人がイメージする鍼灸治療は腰痛、肩こり、めまい、頭痛などの症状が多いのではないでしょうか?もちろん鍼灸治療は上記のような症状に適しています。しかしこれらの不調の裏側には、自分では気づかない「脳疲労」が潜んでいることが少なくありません。
体に現れる不調は感じ取ることができる一方、脳の疲れは日常化していて、無自覚になっていることが多いのではないでしょうか。こうした脳と体がリンクしていない状態の人が増えているように感じます。脳が疲労しても気づかず、放置しておくと自律神経のバランスが乱れ、体のあちこちに異常が生じてしまいます。
脳疲労からくるトラブルの対策
脳疲労からくるトラブルの対策として当院が提案しているのが「脳疲労改善施術」です。頭をほぐすことで脳疲労は改善し、自律神経のバランスが良くなります。さらに筋肉のこりがほぐれ、頭のツボも刺激されます。その結果、眼精疲労や不眠の解消、首や肩こりの緩和、脳のパフォーマンス向上、髪質の改善、免疫系への好影響など、さまざまな効果が期待できます。
疲労の原因は「脳の疲れ」にあった
仕事が忙しいときや、激しい運動を行った後などに、人は「疲れた」とよく言います。「疲労」とはいったいどういったものなのでしょうか。
日本疲労学会では、「過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態」のことだと定義しています。
こうした疲労の原因について乳酸が体にたまってくるのが原因だと思っている人が多いのではないでしょうか?以前は信じられていた理論で、今は間違いであることがわかり乳酸は疲労の原因ではないということが明らかになりました。
疲労と疲労感とは?
では、長時間の仕事や運動のあとで、体に疲れを感じるのはいったいどうしてなのでしょうか。それは「疲労」と「疲労感」はまったく違うということ。
疲労とは、実際に起こる現象のこと。これに対して疲労感とは「ああ、疲れた」と自分自身が感じることなのです。
根を詰めて仕事をする、あるいは激しい運動をすると、心拍数や呼吸、脈拍、体温などに変化が見られるようになります。こうして心拍数などが上昇し続けると、体に大きなストレスがかかり、ひどく危険な状態になってしまいます。
ストレスを受けると、脳にある自律神経の神経系統が秒単位で制御し、細かくコントロールして体を安全に保とうとします。この機能があるため、心拍数が上がったり、呼吸数が増えたりしても、短い時間や軽めの運動であれば問題ありません。
しかし、長時間、パソコン業務などの細かい仕事に集中し続けたり、激しい運動を行ったりした場合、脳の自律神経系統がオーバーワークになって疲弊します。つまり、体よりも先に脳が疲れてしまうのです。この状態を脳の別の部位がキャッチし、疲労感としてとらえます。脳が疲れた状態、つまり「疲労感」です。
交感神経と副交感神経の切り替わりが重要です
健康を保つポイントは、2つの神経の切り替わり。オン状態の交感神経とオフ状態の副交感神経が明確にその優位性が交替することで、体の機能は正常に働きやすくなります。スイッチにたとえると、切り替え時に「カチッ」と音がするようなイメージです。
疲労感をしっかり感じるためにも、自律神経の明確な切り替えが欠かせません。朝になっても交感神経があまり働かず、副交感神経が優位なままでいると日中、体の状態が活動的にはなりません。こうした場合に実は脳疲労になったり、体の不調を訴えることが多いのです。しっかりオフの状態にしないと、次はオンになりません。オンの状態にならないと、オフにもなりにくいものです。自律神経が切り替わりやすいように、日ごろからメリハリのある生活が必要です。
鍼灸治療で自律神経にアプローチ
鍼灸治療は自律神経の切り替わりに非常に効果的です。交感神経を抑え副交感神経優位の状態に導きます。仕事の休憩時間や仕事帰りにヘッドスパ鍼を行うことで切り替えがスムーズにできるようになり、脳疲労の蓄積を解消します。