耳鳴りとは
耳鳴りとは、実際には音がしていないのに、耳や頭の中で雑音が聞こえる状態です。耳鳴りの音の種類は、キーン、ピー、ゴー、ザー、ジー、ブーンなど、さまざまなものがあります。また、音の大きさや、常に聞こえるのか、時々聞こえるのかなど、症状は人によって異なります。
今の日本では4人に1人の割合で耳鳴りに悩んでいる人がいると言われており、決して珍しい症状とは言えません。
耳鳴りの原因
耳鳴りの原因は、大きく分けて以下の3つに分けられます。
◯耳の病気
難聴
メニエール病
突発性難聴
耳垢栓塞
中耳炎
内耳炎
◯全身の病気
高血圧
脳腫瘍
脳梗塞
糖尿病
甲状腺機能亢進症
ストレス
◯その他の原因
加齢
耳栓の使用
飛行機の搭乗
カフェインやタバコの摂取
上記にあげられるようなものが考えられますが、病院で検査をしても原因がはっきりとせず、治療を受けても適切な治療法がなく改善されないと言う方が多いです。
耳鳴りの種類
耳鳴りは、大きく分けて以下の2つの種類に分けられます。
◯自覚的耳鳴り
自分だけが耳鳴りを感じるタイプの耳鳴りです。ほとんどの耳鳴りは、この自覚的耳鳴りです。
また自覚的耳鳴りは高音性、低音性、拍動性の3種類あります。
◯他覚的耳鳴り
他人にも聞こえるタイプの耳鳴りです。耳の病気や、耳に異物が入った場合に起こることがあります。
東洋医学からみた耳鳴り
東洋医学では、耳鳴りは「腎虚」「肝鬱」「気滞」「血瘀」などの原因によって起こるとされています。
◯腎虚
腎虚とは、腎の働きが弱まった状態のことです。腎は、精や耳の機能を司る臓器であると考えられており、腎虚になると、精不足や血行不良が起こり、耳鳴りが起こると考えられています。
◯肝鬱
肝鬱とは、肝の働きが滞った状態のことです。肝は、怒りを司る臓器であると考えられており、肝鬱になると、肝の機能が低下し、耳鳴りが起こると考えられています。
◯気滞
気滞とは、気の流れが滞った状態のことです。気は、体のエネルギーの源であると考えられており、気滞になると、体の各部に栄養や酸素が行き渡りにくくなり、耳鳴りが起こると考えられています。
◯血瘀
血瘀とは、血液の流れが滞った状態のことです。血は、体の各部に栄養や酸素を運ぶ役割を担っており、血瘀になると、耳の血行が悪くなり、耳鳴りが起こると考えられています。
耳鳴りへの鍼灸治療
鍼灸によって、体の各部への血行や気の流れを改善することで、耳鳴りの症状を改善する効果が期待されています。
血行や気の流れを良くするには、まず自律神経の調節をしていきます。
自律神経とは交感神経と副交感神経がバランスを取り合い、呼吸や血圧、心拍、消化、代謝などの生命活動を自動的に行なっています。耳鳴りを発症する方は交感神経が優位になりすぎてしまってる方が多いです。そのため交感神経の働きを抑えながら、副交感神経とのバランスを調節していきます。
そこに合わせ、耳鳴りに効くツボやを用いたり、耳につながる筋肉の緊張を緩める施術を行なっていきます。
東洋では耳は「腎」との関係が深いです。『耳は腎に通ずる』と言うくらい「腎」の異常が耳に出やすい根本的な原因となってる場合が多いです。また、『肝腎同源』と言う言葉もあります。「肝」は自律神経のバランスが乱れたり、感情の浮き沈み、血流の悪さで損傷しやすい臓器で「腎」と気や血を補い合っています。この2つの臓器のツボを組み合わせて治療することにより、より耳鳴りの改善を目指していきます。
そして、腎や肝を補う効果のある食材を積極的に摂取することで、耳鳴りの症状を改善する効果が期待されています。
東洋医学は、西洋医学に比べて、副作用が少ないと言われています。また、耳鳴りの原因を根本から改善する治療法として期待されています。