ヒステリー球とは
ヒステリー球は、正式名称を「咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)」といい、喉に何か詰まっているような違和感や異物感を感じるたり、圧迫感があり胸が使えるような感覚になる病気のことを言います。
原因はさまざまにありますが、最も多いのは、精神的ストレスや自律神経の乱れにより起こります。特にストレスを抱え込みやすい方に多く見られます。
その他に自律神経失調症や不安神経症、うつ病などの精神疾患のひとつとしてヒステリー球が現れる場合があります。
また、姿勢の悪さや食道の機能異常により引き起こされる場合もあり、逆流性食道炎などの疾患が原因になることもあります。
診断と治療法
耳鼻咽喉科や心療内科で診察を受けます。
内視鏡検査や血液検査などで、他の病気との関連性がないか検査したのち、器質的な異常がないことを確認します。検査で異常が見つからないものの、疑われる症状が医師の問診の際あるとヒステリー球と診断されます。
生活に支障をきたすこともある病気ですが、適切な治療を受けることにより、症状は改善されます。
主な治療法は心理療法、薬物療法、漢方薬、鍼灸、マッサージなどが行われています。
日常生活で気を付けたいこと
ヒステリー球の多くはストレスからくるものと言われているため、普段からの生活習慣を見直すことも大切になってきます。
ストレスを溜めないよう心がけながら、生活リズムを整えていきましょう。
そのためには以下のセルフケアを取り入れることをお勧めします。
1. 喉の症状を気にしすぎない
症状を意識すればするほど、症状が強くなってしまうことがあります。できるだけ気にせず、自然体で過ごしましょう。
2. ストレスを解消する
ストレスはヒステリー球の主な原因の一つです。運動、趣味、音楽鑑賞など、自分に合ったストレス解消法を見つけて実践しましょう。
3. 規則正しい生活を送る
睡眠不足や不規則な生活は、ストレスを溜め込みやすくします。睡眠時間をしっかりと確保し、規則正しい生活習慣を心がけましょう。
4. バランスの良い食事を摂る
栄養バランスの偏った食事は、心身の健康に悪影響を及ぼします。ビタミンやミネラルを意識的に摂取しましょう。
5. リラックスする
深呼吸やヨガ、瞑想など、リラックスできる方法を取り入れましょう。
6. 適度な運動をする
運動はストレス解消だけでなく、心身の健康維持にも効果的です。ウォーキングやジョギングなど、無理のない範囲で適度な運動をしましょう。
東洋医学で考えるヒステリー球
ヒステリー球は東洋医学では古くから『梅核気』と言われています。
五臓六腑では『肝』と『心』の病変と考えられています。
肝と心は密接な関係性があります。
肝は気を流してあげる機能があるため、全身に栄養を流してあげています。
心には「神を主る」という機能があり、精神的な安定や判断力、思考などの働きに作用しています。
肝の流れがうまくいかず滞ると、心に必要な栄養素が行き届かなくなってしまいます。そうすると喉に気が溜まってしまい、ヒステリー球のような詰まり感の症状が出ることを指します。
鍼灸施術
鍼灸治療では、ツボを刺激することで、気血の流れを改善し、自律神経のバランスを整えます。また、ストレスを緩和する効果もあります。
東洋的に見ると、肝の動きが悪くなって起こるため、肝の動きを良くするツボを刺激することにより喉にある詰まり感を軽減させていく治療を行っていきます。またそれに合わせて、心や〝生命の源〟と言われてる腎などにもアプローチをしながら治療をしていきます。
日常生活に支障が出ることは少ないですが、症状が進行することにより自律神経失調症や不安神経症、うつ病などの精神症状にも繋がってしまうため早めの治療が重要となってきます。