二度寝の危険性
二度寝によって睡眠リズムが乱れてしまうことが大きな問題です。
睡眠リズムは、日中の疲れから睡眠の欲求が高まって入眠になり、明け方に体内で起床(意識の覚醒)の準備がされて朝起きるリズムです。
体内でこのリズムが狂うとさまざまな症状が現れます。
1.睡眠の質の不足
睡眠時は、深い睡眠(ノンレム睡眠)と浅い睡眠(レム睡眠)を繰り返して脳内の整理や身体の回復を行っています。この際に副交感神経が十分に作用することで睡眠の質を保っています。
2.睡眠障害になるリスク増加
睡眠障害には主に眠りづらくなる入眠障害と途中で起きてしまう中途覚醒があります。入眠障害ではベッドに入ってから目を瞑っても2、3時間寝れず、結果的に睡眠時間が短くなり十分な休息が取れない症状です。中途覚醒は入眠はしやすいですが常に浅い睡眠の状態です。小さな物音で目が覚めてしまったり、何事もなくてもパッと目が覚めてしまったりします。
3.全身倦怠感、易疲労性の出現
十分な休息が取れない日々は身体の活力や免疫力を下げます。活力が下がると以前と同じ仕事量や運動量でもすぐに疲れやすくなります。また疲れやだるさが抜けにくくなるため、朝の身体がとても重く感じます。
免疫力が下がると感染症になり易くなるだけでなく、ヒステリー球や突発性難聴になる可能性が高まります。
声が出なくなったり耳が聞こえなくなる原因の一つと考えるとその重要性が分かります。
二度寝の原因
さまざま要因が積み重なって二度寝に繋がっています。主な原因として、睡眠の時間と質の不足、環境的な要因、心身のストレスです。
1.睡眠の時間と質の不足
睡眠時間が短い、睡眠の質が悪い、この場合はさらに寝て脳内の整理と身体の回復を行おうと二度寝の原因になります。日中に運動をして疲労しておくと睡眠の欲求が高まります。睡眠の欲求が十分にあれば夜に眠気がきて深い睡眠が取れるようになります。
2.環境的な要因
人には心地よく感じる温度や湿度があります。一般的には温度25℃湿度60%ほどですが人によって異なる場合もあります。季節や天候などによっても左右される要素なので寝具や寝巻きに機を配る必要があります。
3.心身のストレス
上記で副交感神経について少し触れました。睡眠時の副交感神経の役割はとても重要です。頭を落ち着かせてストレスを解消し、身体機能が正常に活動できるようサポートしています。心身にストレスがかかると副交感神経の活動が抑えられて交感神経の活動が活発になります。この交感神経とはより多くの血液を身体に巡らせてドクドクと心拍数を上げます。この状態が続くと身体は休まらず眠りに付きにくい状態になります。
当院での治療
当院では自律神経測定器を導入しており、ご希望・症状に沿って始めに測定していきます。
交感神経が過剰に働いていれば落ち着かせる必要がありますし、ストレスや疲労が高ければそれらが改善していくよう治療を進めていきます。
仰向けの治療では腕や脚に鍼・お灸を行い、冷えの症状があればお腹や足を温める施術を行います。
また、頭に鍼をすることで脳の過活動を抑えて、考え過ぎや不安といった症状を落ち着かせます。
うつ伏せの治療では背骨周囲や踵に施術していきます。
最後に
二度寝は直接的にすぐ身体を壊す症状ではありません。しかし、確実に睡眠異常のサインです。二度寝が習慣になる前に生活や睡眠の習慣に目を向けて改善しましょう。中には生活を見直しても治らない方もいます。その方は当院の受診をご一考いただければ幸いです。