帯状疱疹とは
帯状疱疹とは、水疱瘡と同じウイルスである「水痘・帯状疱疹ウイルス」に感染することにより起こります。
ウイルスは体内の神経節に潜伏します。普段は免疫によって抑えられていますが、ストレスや加齢などで免疫が弱まった時に再び活性化し帯状疱疹を引き起こします。また、糖尿病やがんなどの免疫が下がる病気が原因になることもあります。
日本の成人の9割はこの水痘・帯状疱疹ウイルスを持っていると言われています。全員が発症するわけではなく、6〜7人に1人くらいが発症すると言われています。帯状疱疹が出たから病気がうつるというものではありませんが、ウイルスを人にうつしてしまうことはあります。その場合は帯状疱疹の水ぶくれ液からの接触感染が中心
具体的な症状
左右どちらかの神経ラインに痛みや痒み、不快感を伴うのが特徴です。
皮膚症状よりも先に、患部に痛みや違和感が出る「前駆痛」が数日から1週間ほどみられます。前駆痛は人により症状の重さに違いがあります。その後、赤い斑点と水ぶくれが帯状に多数できます。多くの場合は膿になった後かさぶたになり痛みも共に消えていきます。
ですが、神経が損傷されると痛みが残ることがあります。このことを「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼ばれており、最も多くみられる合併症になります。
合併症は他にも、目や耳などの感覚器の神経が傷つくと難聴や視力の低下が見られたり、運動器が傷つけられると腕が上がらない瞼が上がりにくいなどの麻痺がみられます。
帯状疱疹になったときの過ごし方
帯状疱疹が出てきたらできるだけ安静にして、休息をとりましょう。十分な睡眠と栄養を心がけ、心身共に休むことが1番です。何もしなくてもよくなることはありますが、合併症などのリスクもあるためまずは病院に行きましょう。
症状が出たら3日以内に病院に行き処方された薬を使うことにより、1週間程度で症状が抑えられることが多いです。帯状疱疹は何度でもかかる場合があるので、日頃から疲労を溜め込まない生活を送ることが大切になってきます。
逆に帯状疱疹が出た時に避けた方がいいことは患部を冷やす、水ぶくれを潰す、アルコールを接種することです。患部を冷やしてしまうと神経痛は痛くなってしまうことがあります。温めてあげると痛みが軽減されることがあるので火傷に注意して温めることがよいです。
病院では水ぶくれを潰したりする処置をする場合もありますが自分で行うのは厳禁です。自分でやってしまうと、皮膚の常在菌が入ってしまい悪化してしまう恐れがあります。アルコールを摂取すると血管を拡張させ炎症をひどくしてしまう恐れがあります。アルコールを控えて免疫を高める作用のある緑茶、野菜ジュース、ホットココアなどを摂るように心がけるとよいです。
治療方法
病院では抗ウイルス剤、鎮痛剤、塗り薬を処方されることが多いです。発症する原因がさまざまな疾患なため、人により処方される薬も違いがあります。病院の指示に従い正しく薬を服用することが長引かせず、早く治るために必要になってきます。
鍼灸治療では、免疫を高めるため自律神経の治療をメインに行なっていきます。そして帯状疱疹の周りに鍼を打つことによって、血流を良くして治癒を早める手助けをしていきます。運動麻痺などの合併症がある場合はその筋肉に対して鍼や灸を用いて治療します。
近年、世界保健機関(WHO)の研究でも帯状疱疹後神経痛(PHN)は鍼灸治療で効果的だと発表されてます。多くの場合は約3〜6ヶ月程度で改善が見られます。しかし破壊された神経が広かった場合、神経の再生には2、3年かかると言われているので完全に治癒するには長い期間必要になります。
病院と併用し早めの治療を行うのが何よりも大切な疾患です。