三叉神経痛とは
三叉神経痛は、顔面に強い痛みを引き起こす神経疾患です。三叉神経は顔の感覚を脳に伝える主要な神経で、3つの枝(眼神経、上顎神経、下顎神経)に分かれており、顔面のそれぞれ異なる部分に分布しています。この神経が何らかの理由で刺激を受けたり圧迫されたりすると、激しい痛みが発生します。
特徴
痛みの性質: 刺すような鋭い痛み、電気ショックのような痛みが短時間(数秒から数分)続きます。痛みは顔の一部に限局しており、多くの場合片側のみに現れます。
痛みの引き金: 風が顔に当たったり、食事、顔を洗うなどの軽い刺激が痛みを引き起こすことがあります。
痛みの持続期間:痛みは突然発生し、しばらくすると消失することが多いですが、繰り返し起こることがあります。
原因
血管の圧迫:三叉神経が頭蓋内の血管によって圧迫されることが原因で発生します。
多発性硬化症:中枢神経系に影響を及ぼすこの疾患も、三叉神経痛の原因となることがあります。
腫瘍や外傷:三叉神経を圧迫する腫瘍や頭部の外傷も原因となることがあります。
鍼灸治療の特徴とメカニズム
鎮痛効果:鍼による刺激が脳内でエンドルフィンやセロトニンの分泌を促進し、痛みを和らげる効果があると考えられています。さらに、神経伝達のバランスを整えることで、痛みの発生を抑える効果が期待されます。
血行促進:鍼やお灸が局所の血流を促進し、神経の周囲にある炎症や血行不良を改善するとされています。これにより、神経圧迫による痛みの軽減が図られます。
緊張の緩和:三叉神経痛は、筋肉の緊張やストレスも痛みの引き金になることがあります。鍼灸治療は、自律神経を調整し、リラクゼーションを促進するため、筋肉の緊張緩和にも効果があるとされています。
鍼灸治療でよく使われるツボ
地倉:口角の外側に位置し、顔面の神経痛や痙攣に効果があるとされる。
攅竹:眉頭の内側にあり、顔の痛みや頭痛を緩和する。
下関:顎の付け根にあり、三叉神経痛の痛みを和らげるために使われる。
合谷:手の甲にあり、顔の痛みにも効く全身的なツボ。