パニック障害克服と食事の関係とは?
パニック障害には大きく自律神経失調や筋膜の硬さが深く関わっている事は、以前のコラムでご紹介した通りです。
そしてこれらの治療には鍼灸治療がとても有効です。
しかし回復に必要な要素はこれだけではありません。
鍼灸治療で身体を整えても、症状を悪化させる食生活や生活習慣があると、回復に時間がかかったり、治療効果がすぐに薄れてしまい、改善に大きな差が出てきます。
ですので鍼灸治療によって、原因である自律神経や筋膜の状態を整えつつ、食生活や生活習慣などの養生を取り入れる事で回復曲線が大きく上昇します。
その中でも特に重要になるのが食事です。
「ひとは食べたものでできている(You are what you eat)」と言われるぐらい食事は健康に重要であり、特に自律神経やホルモンバランスに大きな影響を与えます。
今回はその中でも、パニック障害の回復を遅らせてしまう、悪化させてしまう食事についてご紹介します。
回復を遅らせる食事とは?
パニック障害の原因の1つである自律神経に最も影響を及ぼすのがホルモンバランスです。
ホルモンバランスが崩れるとアドレナリンの体内濃度が増え、逆にセロトニンの濃度が減ってしまいます。
この状態になると自律神経のうち交感神経が強くなり、パニック症状を引き起こしやすくなります。
体内のホルモンバランスを崩す食生活のポイントは5つあります。
糖質
最近では糖質制限がブームとなっているので、どんなものか知っている方も多いかもしれません。
糖質制限とは、主に糖質の摂取を抑え血糖値の急上昇とその反動を抑える事を目的としています。
糖質を摂取すると血糖値が急上昇しますが、それを抑えるためにホルモンが分泌され、かえって血糖値が下がり過ぎてしまいます。
血糖値が下がり過ぎると身体にとって危険な状態なので、今度は血糖値を上げようとするホルモンが分泌されます。その1つがアドレナリンになります。
アドレナリンが大量に分泌される事で交感神経が刺激され、パニック症状を引き起こしやすくなります。
糖質を多く含む物として、
・砂糖類
・精製された炭水化物(白米、小麦など)
・果物(特に甘みの強い物)
などが挙げられます。
ですので、お菓子やジュースはもちろん、白米や麺類、パン類などもこれに当てはまります。
こういった物を避けると同時に、血糖値を急激に上げづらい玄米やそば、またはタンパク質などのお肉などを主に食べていくのがオススメです。
カフェイン
カフェインは副腎という臓器を刺激し、無理矢理鼓舞します。副腎が酷使されるとホルモン分泌が狂い、体内での過不足が起こります。特にアドレナリン、ノルアドレナリンというホルモンが過剰に分泌され、そして交感神経が過剰に働き、パニック症状が引き起こされやすくなります。
カフェインを多く含む食事は、コーヒーやコーラ、チョコレートなどです。
できる限りこのような物は避け、お水などを摂るようにしましょう。
副腎はパニック障害に深く関わるホルモン臓器なので、詳細は別の機会にご説明します。
食品添加物
インスタント食品やハム、ソーセージ、かまぼこ、調味料、スナック菓子、清涼飲料水など、ありとあらゆる加工食品には大量の食品添加物が使用されています。
この食品添加物が身体にとっては毒(身体的ストレス)になり、これも副腎を疲弊させ、ホルモンと自律神経のバランスを崩してしまいます。
このような添加物を避ける方法は地味な事ですが、ラベル表示を毎回確認してなるべく無添加の物を選ぶか、あるいは加工食品自体を減らすようにしましょう。
添加物は種類が多くて大変かもしれませんが、1つ1つの積み重ねが知識になり、そして身体を回復する手立てになるので、少しずつ実践できると良いと思います。
農薬
では加工食品ではない野菜や果物を使って自炊するのが安全かというと、そうでもないのが現状です。
と言うのも、日本は世界でもっとも農薬を使用している国だからです。
スーパーに並んでいる野菜や果物は農薬まみれです。
この農薬は環境ホルモンの一種で、取り入れると体内でエストロゲン(女性ホルモン)の働きをしてしまいます。
この環境ホルモンが体内で過剰になると、アドレナリンやノルアドレナリンを分解する事ができず体内濃度が高くなり、また交感神経を活発にしてしまいます。
養殖もの・畜産物
養殖魚や牛豚などには、成長させるために成長ホルモンを与えたり、抗生物質を与えています。これらの物質が肉に蓄積され濃縮され販売されているのです。
これらを取り入れると当然体内にもそのまま毒物が入ってきて吸収されます。
これが身体的ストレスとなり、やはり副腎を疲弊させ、ホルモンや自律神経のバランスを崩します。
食肉に関しては特に海外で基準が緩いため、外国産のお肉は避けた方が良いと思います。