姿勢から起こる痛み

姿勢

人間には正しい姿勢というのがあります。
耳たぶから下に伸びた腺に1肩、2大転子（モモの骨）、3膝裏、4くるぶしが通ると骨格上配置が良いとされています。
この状態でなければいけないわけではなく、基準として理解して頂きたいです。それも人によっては骨の形やバランスは変わりますので、ある程度のズレがあります。
背筋がピッとして胸を張って大股で歩く方は、基準が分からなくても「姿勢がキレイだな～」って思いますよね。
逆に肩より首が前方に突き出している猫背の方では「姿勢が悪くてみっともない」と感じます。
これは、科学で明らかになっていないお話ですが、猫背の方は、首の横から胸骨の上に突く、胸鎖乳突筋という筋肉が異常に張ります。この筋肉は悩みやすい人や少しネガティブ思考の方によく見られます。
猫背で印象が悪いと感じる場合は、あながち間違っておらず、性格も少し暗めになりやすいと思います。
考える人で有名なブロンズ像も首が前に入っているように、考えすぎる人や悩み過ぎる人はあのような姿勢になりやすいです。

姿勢から起こるストレートネック

PC作業やスマホ操作する人が増えてきたため首の痛みで来院される方が多いです。その中でもストレートネックは比較的多く見られます。
病院で言われた人や、自分で調べて伝えてくる人など首の痛みが辛すぎるため原因を知りたがる方が多いです。
実際にストレートネックはみたまんまの事で、「そりゃ痛くなるよ」という状態です。
首の生理的湾曲は30～40度くらいになります。この生理的湾曲が30度以下になるとストレートネックになります。
生理的湾曲は上からの重力や人間の動作に対して背骨がクッションのように衝撃を逃がせる構造になっています。
この構造がストレートネックのように破綻してしまうと、関節か筋肉が痛み始めます。

ストレートネックの症状

構造で衝撃を和らげられないのなら軟部組織が受け止めるため、いずれ限界が来ます。
・関節の痛み
・筋肉の痛みやコリ
が出やすいです。
筋肉では慢性的な首や肩のコリとなって頭痛や吐き気なども引き起こします。
関節では持続的な外力が加わり続けると軽い捻挫になって炎症が起きます。この状態では常に痛みを感じ、首を動かすと痛みが強くなります。

筋肉が硬くなり、関節に負担が大きくなれば神経根や背骨の椎間板が損傷します。
・頚椎ヘルニア
・神経根症状
負担が大きくなって背骨内の椎間板が脱出し始めるとヘルニアになります。ヘルニアでは腕や手の痺れ、痛みなどが起こります。
筋肉が硬く関節が動きづらいと神経の根っこに衝撃が加わりやすくなり、神経根が損傷します。
神経症状では、上肢と広い範囲に痛みや痺れがでます。この段階で病院に通われる方が多いです。

ストレートネックのチェック

首は前湾と前にカーブしています。この角度が30度～40度くらいが正常なカーブになります。ですが、実際に自分自身で確かめようにも分からないと思いますので、簡単にできるチェック法を書きます。
壁にまっすぐに背中をつけた際に頭が壁につかないようだとストレートネックの可能性があります。
かかと、お尻、肩甲骨、頭とつくはずですが、頭がつきづらければ頚部が相当硬くなっています。
ストレートネックは病院でレントゲンをとると直ぐに分かります。簡単なチェック法でストレートネックだと分かったら一度病院で検査を受けてみるといいです。

ストレートネックの解消

PC作業やスマホ操作では背中がC字のように丸まってしまい湾曲が失われてしまいます。治療院に来られる方も、このパターンが一番多いと思います。
湾曲は、首が前、背中が後ろ、腰が前といったようにS字をかいている状態がキレイです。
デスクワークでは腰が後ろになりやすく、画面を見るには首が前に入りやすいとC字になっていってしまうのが、ストレートネック増加の要因です。
仕事柄の場合では、とにかくC字になっていることを認識して、仕事中も意識する事が大切です。