身体の不調
毎日を快適に過ごすには身体の健康が大切です。小さい頃や学生時代では寝て起きれば疲れも痛みも無くなっていましたが、年を重ねるにつれ徐々に回復が遅くなり翌日まで疲れが残る事が多くなっていくと思います。
生理的現象で身体の回復は遅くなっていくため日々の体調管理には年齢が高くなるほどしっかりと行なう必要があります。
徹夜や多忙な日々によって多い主訴が倦怠感、全身の疲労感、頭痛、下肢の疲れがあります。この状態が続くと感情や情緒にも影響してきて、やる気の低下、落ち込みやすい、希望や興味を持てないといった精神症状も出始めてきます。
身体の漫然とした不調
漫然とした身体の不調を不定愁訴と言います。いくつかの定まらない症状や慢性的に続く痛みや疲れが主な内容で、身体全身に起こるため消化や体内時計の乱れなど様々な症状が現れます。
心身共に健康と言う言葉あるように身体と精神の両方が整っている状態が健康になります。身体の不調があれば精神に、精神に不調があれば身体に現われます。
弱いポイントから乱れ始めて、徐々に内外共に不調になっていくため根が深い状態です。
まずは根本の原因を探すことが重要です。
身体を統括して働かせているのが自律神経になります。
自律神経
交感神経と副交感神経の二つから成り立っています。分かりやすく、交感神経がアクセルのような働きで、副交感神経がブレーキのような働きになります。
アクセルもブレーキも効きが良ければ快適な運転が出来ますが、どちらかが効きにくくどちらかが効き過ぎる状態では事故を起こしてしまいます。
自律神経は生活習慣やストレスによってアクセルとブレーキのバランスが悪くなります。
身体全体をコントロールしている自律神経が乱れると症状は全身に出てきます。
疲れが回復しない、関節が痛い、肩や首の慢性的な痛み、汗が良く出る、落ち込みやすいなど、これらは自律神経が乱れることで起こる可能性があります。
自律神経失調症
日本心身医学会では、種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないものを自律神経失調症の定義としています。
自律神経失調症は四つのグループに分かれます。
本態性型自律神経失調症
生まれた持った体質が関係します。虚弱体質や調整が上手くできないような方に多いタイプです。
心身症型自律神経失調症
心身症型自律神経失調症
最も多いタイプです。精神面や肉体面に強いストレスが原因で発症します。
生活環境の変化によって起こりやすいです。変化は人にとってかなり大きなストレスがかかります。そのような時を起点に発症しやすいため原因が分かる場合も多いです。
神経症型自律神経失調症
心理的要因によって起こります。対人間や自分の中の葛藤、恐怖、不安などが原因となって発症するタイプです。
抑うつ型自律神経失調症
抑うつ症状が現われるタイプです。ストレスが発症原因となってうつ病に発展する可能性があるタイプになります。
鍼灸治療
遙か昔から症状を診て治療を行なってきた東洋医学では自律神経の乱れによって起こる不定愁訴に効果を発揮します。
体内を陰陽論や五行論といった考え方で原因を特定します。西洋医学では病変のみを詳しく診る傾向にあるため、全身の漫然とした不調は東洋医学の方が対応できると思っています。
バランスを重要視する東洋医学では何が悪くなって起こったかを説明する事ができます。
バランスを整える治療を行なうことで不定愁訴を治していきます。
自律神経と鍼の相性
鍼灸治療は自律神経を整えるために生まれた治療法だと言っても過言ではないほど相性が良いです。
生体反応を引き起こして治す鍼灸治療は自律神経の働きを使う治療方法になります。
身体にある交感神経に効く経穴と副交感神経に効く経穴を使う事でバランスを上手く整える事ができます。
心地良い刺激で1時間程治療を受けると、身体がリラックスしてほどよい充実感を感じて頂けると思います。