治療院の種類
鍼灸院
国家資格で、はり師きゅう師の二つの免許を持つ施術者が勤務する治療院です。
鍼とお灸を使って体内のバランスを整える治療方法です。整体観や陰陽五行論といった独自の考え方で身体を診て、経絡経穴を使ってバランスを整えていきます。
鍼は太くて痛いイメージがありますが、実際に現場で使われている鍼は、病院の注射と違って、とても細く痛みが出にくい形状になっていますので、全然痛みはありません。
全体のバランスを整える治療法のため約1時間前後で治療する鍼灸院が多いと思います。
鍼のみでやっている鍼灸院は少なく、ポイント鍼として接骨院などで行なわれている場合が多いです。
最近では病院に鍼灸が導入されたり、企業内に鍼灸ブースを作るなど活躍の場が広まりつつあります。
鍼灸の受療率は6%前後です。痛いイメージや伝統療法というのが表している数字だと思います。
これから研究が行なわれてもっと鍼灸師が活躍出来る場が増えて欲しいと思います。
接骨院・整骨院
国家資格で、柔道整復師の免許を持った施術者が勤務している治療院です。
柔道の活法から生まれた治療法で、怪我などの外傷性の治療に強いです。保健が使えるため実費治療よりも負担が少なく受けられます。
保険の取り扱いは骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷のみです。治療方法は包帯や湿布、低周波、温熱刺激など傷の治癒促進を目的に行ないます。今では緊急時のみでしか骨折や脱臼の整復が出来ませんが、地方では親から受け継いだきた素晴らしい技術を施している先生がたくさんいらっしゃいます。
医療の立ち位置上、これから失われていく技術になっていくのではと、少し悲しく思います。
整体院
民間資格です。定められた決まりはありませんが、学校などはあるようです。しっかりと勉強して修行をされた方は素晴らしい技術を持っていますが、町中の整体はアルバイト感覚や他の仕事からリタイヤして開業した場合が多いような気がします。
怪我や疾患等ではなく、慰安目的で通う場所になると思います。このように書くとまじめにやってらっしゃる方々が怒ると思いますが、整体のような大まかなサロンは範囲が大きすぎて全体から見るとどうしても慰安目的が多いと思われます。
形態が多種に及ぶため、治療法も共通の決まったものがあるわけでもないので、ドアを開けて気に入るか気に入らないかの業界だと思います。
カイロプラクティック
日本では民間資格の立ち位置になります。アメリカでは国から認められた国家資格になります。特に定められた法律がないため、誰でも自由に開業して施術が出来ます。
カイロプラクティックは、アジャストメントやマニピュレーションという徒手技術で筋骨格系を整える治療法です。
団体や教育医期間によって多少異なりますが、専用のベッドや特殊な器具を用いて治療することもあります。
柔道整復師は比較的カイロプラクティックの勉強をしている人が多いと感じます。関節の矯正や歪みを整えるという意味で少しかじる程度かもしれませんが、国家資格者の中にもカイロプラクティックの技術を用いて治療している人をよく見ます。
最近ではアメリカで資格を取得してきて、日本で開業する人が多いようです。
まとめ
医療行為はしっかりとした知識がなければ危険を伴う行為です。人の身体を変化させるという医療行為も、知識がなければ破壊行為になりかねるため法律で定められた養成学校を出ていることが必要だと思います。
資格はあくまでも目安程度かもしれませんが、無資格で自由に開業してしまっている自称治療院は危険性が大きいと考えられます。
安全に安心して受けられるためにも国家資格は最低限必要です。
鍼灸や柔道整復師、あんま指圧師は無資格者と同じような主訴の方々を診るため互いの違う点を分かりやすく理解して頂ければと思います。