自律神経と痛み
痛みは、様々な種類があります。熱い物を触れたとき、身体をぶつけたとき、肩コリなど痛み方が違います。
痛みは身体からの警告信号で、危険から察知して逃れるために備わった機能です。身体を守るためにも痛みは大切な機能です。
ですが、怪我が治っても痛みが出続ける場合や異常がないのに痛み出す事もあります。
痛み方は大きく三つに分かれます。
侵害受容性疼痛
これは怪我をした時に感じる痛みです。熱い物に触れることや身体をぶつけた時の痛み方です。
神経障害性疼痛
神経の障害によって起こる痛みです。坐骨神経痛や帯状疱疹後の神経痛などです。
心因性疼痛
組織の損傷が見当たらないのに痛みを感じる場合が心因性になります。精神的ストレスなど環境や人間関係、社会的要因によって起こる痛みです。
自律神経が関わる痛み
痛みを感じると身体を守るために交感神経が働きます。血管を収縮する事や、一時的に痛みを抑える機能があります。
自律神経には交感神経と副交感神経の働きが痛みには重要になります。急性には交感神経機能が痛みを抑えてくれますが、治癒過程では副交感神経優位のほうが治りは早いです。
交感神経が働くと血流が悪くなり、発痛物質が蓄積します。さらに痛みが慢性化すると痛む場所にアドレナリン受容器が作られて交感神経が働くと痛みが増すようになります。
痛みの悪循環
慢性化した痛みによりストレスを感じると交感神経が働いて血流を低下させます。発痛物質が蓄積していくことでさらに痛みが強くなり、ストレスがかかります。この流れを痛みの悪循環と言います。
痛みには様々な種類がありますが、悪循環が働いては回復が遅くなるため、自律神経を整える事が大切になってきます。
痛み治療
痛み治療にはお薬以外で鍼灸やマッサージなどがあります。鍼灸効果にはゲートコントロール説と下行性疼痛抑制系が働いて痛みを和らげてくれると考えています。
これは痛みの神経線維や中枢神経が関わり感じ方を減らしてくれる機能です。
原理は、怪我したときに局所をさするのと同じです。痛いと自然と患部をさすることや手当をします。これは優しい刺激が痛みの刺激を抑えられるためです。
鍼灸治療は心地良い刺激で痛みの感覚を減らして局所の血流を良くさせます。鎮痛目的でも鍼灸治療は効果的と言えます。
生活習慣や対人関係によるストレス
痛みにはストレスが関係するとお話したように、痛みが増強することや治癒を遅らせる原因となります。
自律神経は体内バランスを保つ役割があるのですが、長期間ストレスを受け続ける事や生活習慣の乱れによって交感神経優位の状態になってしまいます。
痛み治療は、交感神経優位の体質を元のバランス良い状態にすることが大事です。さらに自分自身でストレス環境を改善していくことも大切です。
時間に追われすぎる毎日や嫌な上司や同僚などストレスを受ける原因を解決する治りが早くなります。実際に環境を変えることは難しい事が多いので、ストレス源からはなるべく避けるようにするといいです。
お薬に頼りたくない方には鍼灸やマッサージがお勧め
ロキソニンや市販で買える鎮痛薬は便利です。仕事中に痛みがでてもその場で飲めば次第によくなってきます。ですが、次第に効きが弱くなることや薬の副作用が怖いと正直なとこ毎回は頼らずに根本から治せたらいいのにと考える方は多いと思います。
鍼灸やマッサージでも痛み治療は可能です。心地良い刺激で治療を受けると副交感神経が働き痛みの緩和と治癒促進します。
お薬と違って場所や時間など条件が合わなければ通うことも難しいです。身体を根本から治して痛みを感じにくい体質を作るには治療院に通うのもお勧めです。
時間が無い場合や場面によってはお薬で一時的に痛みを無くすのも良いです。