痛みのメカニズム
・血行不良や疲労物質の蓄積により、筋肉内の神経が過敏になり、痛みや不快感を感じます。
これが「重い」「張っている」「ズキズキする」などの感覚として現れます。
<トリガーポイントの形成>
・筋肉内に「トリガーポイント」と呼ばれる硬くて痛みを伴うしこりが形成されることがあります。これにより、こりの部位だけでなく、周囲や離れた部分にも痛みが広がることがあります(関連痛)。
首肩こりの原因になりやすい筋肉
僧帽筋(そうぼうきん):首から肩、背中にかけて広がる筋肉で、頭を支えたり肩を動かしたりする際に使われます。
肩甲挙筋(けんこうきょきん):肩甲骨を引き上げる筋肉で、肩をすくめる動作や首の動きに関与。
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん):首を前後左右に動かす筋肉で、頭を支えるために働きます。
首肩凝りの悪化で起こる症状
頭痛:
首や肩の筋肉が緊張することで後頭部や側頭部に痛みが広がる。
緊張型頭痛が典型。
めまい:
首の筋肉が硬直すると、脳への血流が低下し、めまいやふらつきを感じることがあります。
しびれ:
神経が圧迫され、腕や手にしびれを感じることがあります。
肩甲骨周りの痛み:
肩甲骨を動かす筋肉に負担がかかり、背中や肩甲骨周りの痛みが発生します。
セルフケア
正しい姿勢を保つ:背筋を伸ばし、頭を前に出しすぎないよう注意します。
適度な休憩を取る:長時間同じ姿勢で作業せず、1時間ごとに立ち上がりストレッチを行います。
軽い運動やストレッチ:筋肉をほぐし、柔軟性を保つ運動を習慣化する。
血行促進:冷えを防ぎ、入浴やホットタオルなどで首や肩を温める。
鍼灸施術
役割
・筋肉の緊張緩和
鍼で筋肉を刺激し、緊張を和らげる。
・血行促進
刺激によって血流が改善し、酸素や栄養が行き渡ります。
・痛みの抑制
鍼刺激でエンドルフィン(鎮痛物質)の分泌を促し、痛みを和らげます。
・自律神経の調整
ストレスや疲労で乱れた自律神経を整え、リラックス効果を高めます。
有効なツボ
風池
後頭部のくぼみに位置するツボで、首の痛みや肩のこりを緩和。
肩井
肩の中央部にあり、肩こりの治療でよく使われるツボ。
天柱
首の付け根にあり、筋肉の緊張や頭痛を軽減する効果があります。
合谷
手の甲にあり、肩こりだけでなく頭痛や全身の緊張にも効果的。
曲池
肘の外側に位置し、首や肩の緊張緩和に使用されます。