急性腰痛と慢性腰痛の違い

急性腰痛は突然腰に強い痛みを感じる状態で、激しい運動や腰への怪我、腰の筋肉や靭帯の損傷、椎間板の突出や破裂、骨折、感染などが原因となります。
筋肉系のものはいわゆるギックリ腰です。

一方、慢性腰痛は数週間から数ヶ月以上続く腰の痛みで、慢性的な筋肉の緊張、椎間板の変性、腰椎の変形、神経障害などが原因となります。

特異的腰痛ー脊椎の神経が圧迫される病気など

・腰部椎間板ヘルニア
・椎間関節症
・変形性脊椎症
・腰部脊柱管狭窄症
・骨粗鬆症など

非特異的腰痛ー日々の生活習慣などが要因

神経症状、しびれや麻痺などが無く画像検査をしてもどこが痛みの原因なのか特定しきれない腰痛です。
長時間同じ姿勢を続け、背中や腰の筋肉が緊張し続けた場合、寒い場所に長時間居続けて筋肉が硬直してしまった場合など痛みが起こりやすくなります。

慢性腰痛は、慢性的なストレス、運動不足、姿勢の悪さ、肥満などの生活習慣や、過去の急性腰痛の再発が引き金になることもあります。

東洋医学による腰痛の考え方

東洋医学では腰は腎の腑といい、腰痛には腎が関係することが多いです。
また、腰にはからだの栄養となる気や血の流れとなる経絡が集まっています。

長引く腰痛の原因に多い「腎虚」

ここでは東洋医学的に捉える腰痛で最も多い腎虚について解説していきます。

腎の機能が低下したり、不足したりしている状態を「腎虚」と呼び、腰に栄養が行き渡らなくなるため腰痛が発症します。
加齢や慢性疾患、睡眠不足、偏食などで腎の精が不足すると腎虚の状態に陥ります。
加齢だけでなく、年齢が若くても疲労の蓄積により腰痛が悪化したり、腰に力が入らないなど痛みを伴う場合は腎虚により腰が弱っていることが考えられます。

腎虚の特徴的な症状
・尿が近くトイレの回数が多い
・尿が出にくい
・足腰に力がない
・精力減退など

腎虚の腰痛の特徴
・手でさすったり、押さえると楽
・比較的下の腰に違和関や重さが出る
・鈍い重い腰痛が出たり消えたりを繰り返す

東洋医学的に捉える腰痛は腎虚や冷え、湿気などによって経絡の流れが滞ると、腰の筋肉や骨、関節に十分な気血を届けることが出来なくなって「痛み」が発症すると考えられます。

当院の慢性腰痛に対する治療

慢性的な痛みは交感神経を過亢進させている場合が多く、血管が収縮し、筋肉の緊張も高まるためさらに血流が悪化します。血流の低下が持続すると徐々に組織が酸欠状態となり、また新陳代謝が悪くなっていきます。

痛みによる体の緊張を高めている交感神経を抑えるために、当院では心地よい刺激を心掛けております。はりやお灸などを使った心地よい刺激は、交感神経の亢進を抑えてリラックス神経である副交感神経優位の状態に持っていきます。

もちろん腰ばかりではなくお体全体を診させていただき、全身治療をしていくのが東洋医学の基本です。

またストレスが原因で起こる腰痛もあります。

ストレスによる腰痛は上記にもある血行不良と脳機能の低下で起こります。

脳機能の低下による腰痛について

通常、人間は痛みを感じると、脳から神経伝達物質のドーパミンが放出されます。ドーパミンは痛みを緩和し、腰痛を感じにくくさせてくれる役割をします。
しかし、脳機能が低下していると、正常にドーパミンが放出されず、腰に痛みを感じるようになってしまうのです。
脳機能の低下により、わずかな痛みでも強い痛みに感じてしまいます。その結果、長期間、腰痛に悩まされることになってしまうのです。
さらに、ストレスによる腰痛によってストレスを感じ、腰痛が悪化するという、負のスパイラルも発生します。
ストレスの原因を突き止め、早めに対処することが重要です。

当院ではストレスや血流と関係が深い自律神経のバランスを治療前に測定させていただきます。お体の状態を十分に把握した上で施術に入らせて頂いております。